同人描きがブラックで一年働いてみて思ったこと

 

同人描きがブラックで一年働いてみて思ったこ

 

 

 思ったこと、就職・転職を控えている皆さんの参考になるかもしれないことをつらつらと。同人描きの視点を交えつつ書いていきます。

 

 

 まず最初に、私は正社員ではなくお気楽なアルバイトとして働いていたことを明記しておきます。ガチなギリギリ社畜ライフ体験談を期待していた方はごめんなさい。

 まあ逆にそこまで追い詰められていたわけではないので、客観的な視点から冷静に観察できた部分も多いと思います。

 狭い業界なので、身バレ防止のために脚色もちょいちょい入れるかもしれませんがご容赦ください。

 

 

 

 一般的にブラックと言われる業界にも色々あると思います。有名どころだとテレビとかアニメ業界とか、建築とか音楽業界とかですね。私がいたのもモノを作る系の小さい会社でした。

 

 ざっくり1日のスケジュールから解説すると、定時に出社して交通手段が許す限り遅くまで働く。以上です。

 朝はコンビニおにぎりか菓子パン(もちろん仕事しながら食う)、昼もコンビニ飯、夜もコンビニ飯。たまに暇な時はファミレスでご飯。悲しいでしょ。

 

 不思議なことにこれ、多少内容に気をつけてれば身体壊さないんですよ。人間って丈夫にできてる。

 あと、だんだん休みになった途端体調崩すようになってくる。忙しいうちは大丈夫。社畜ってすごい。

 

 

 クリエイター、デザイナーってかっこよく聞こえますよね。でも大抵の職場では自分で決められる範囲はかなり狭いです。ディレクターとか、名前が売れてる事務所ならトップの人が決めます。

 ついでに大手以外は慢性的に人員不足なので、仕事しても仕事しても終わりはないです。

 原稿あるから早く帰りたい…とか思ってもまず帰れない。それより仕事がヤバイ。金曜の夜に月曜朝までの仕事振られたりする。

 

 

 あと仕事に出力全部使っちゃうので創作で出せるものがなくなる。このへん結構重要。

 クリエイター系の仕事してて同人もできる人、本当に尊敬する。

 多分相当慣れるまでは普通の全然絵とか関係ない仕事でも同人やるの難しいです…社会人同人描きに敬礼。

 

 休日出勤、もちろん振替なし。納期前は徹夜、手当なし、残業代なし。福利厚生なし。

  でもそれって当たり前なんですね。そもそも普通の会社ではなく、アトリエみたいな体制なのでわざわざ改めてブラックと呼ぶのも違和感なわけです。

 

 このへんは小規模のところなら、どんなに儲かってようが共通です。

 ほんとお金どこに消えてんだろうね。どこに…一体……。

 

 

 まあここに書いたようなのはこれらのブラック業界では全然序の口で、出すとこに出したらたぶん帰れるだけマシだ!とか風呂に入れるだけ有難いと思え!とか怒られてしまいます。怖いね。

 

  でもそういうの、正直スマートな働き方ではないですよね。言ってしまえば完全な搾取な訳です。苦行が功を奏して花開けば美談ですが、みんながみんな開けるわけじゃないからね。

 

 賢く稼ごうと思えば世の中いくらでも稼げますから、要らん苦労してでも得られるものがあると思った人だけそういうとこで働くのがいいと思います。

 

 

 そうそう、不思議なことにこういった職場でもなかなか精神疾患とか自殺者とか出ないんですよね。もっとも会社の規模が大きければ出てる可能性は非常に高いですが。

 耐えられない人は皆早々に辞めていきます。良いことだと思います。死んだらそれまでだからね。

 

 

 もちろんそんな環境でも7年とか、10年とか、長く続けてる人もいます。ここらへんは本当に合う合わないですね。

 プライベートの時間は普通の会社員に比べたら殆どないに等しいので、彼氏彼女がいる人はだいたい同棲します。普通にしてたらまず会えないからね。

 

 最近は色々あったので、まともな企業なら労働時間はメチャクチャうるさいです。新入社員は定時で強制退社なので暇で仕方ないらしい。そんな世界行ってみたいわ。

 

 

 

 で、この文章のスタンスとしては、そういう職人の武者修行的な感じで働くことに対してどちらかというとニュートラルでありたいので(既にこき下ろしまくってるけど)、いいところも書いておきます。

 

 まず、二・三年働けばだいたい転職先が見つかる。

 エージェントとか通さなくてもポートフォリオだけでだいたい見つかります。即戦力が全てなので、経験者しか募集してないところも多いです。ただ前の事務所のカラーが強すぎるとマイナスに影響することもあるらしいので注意。

 

 次に、独立のチャンスがある。

 働きながら頑張って賞とか取れば独立も夢じゃないです。いずれ独立したい人は、バンバンコンペとか出しましょう。仕事があれば独立できるので、若いしまだ早い…とか思う必要は全くないです。

 

 最後、(なかなか)死ぬことはない。

 結局長すぎる労働時間だけだと自殺の動機としては弱いんですよね。あんま関係ないと思う。周りと、特に上司との関係に依る部分がメチャクチャでかいと思います。半分運だね。

 もしインターンとかで、事前に内部の様子を確認できるのなら積極的にやりましょう。小さい会社で人間関係やらかすとマジで終わる。ジ・エンド。

 

 ちなみにここまできて手のひら返すようですが、同人続けたいのであればデザイナー系は本当におすすめしません。まだ描き続ける習慣がつくだけイラストレーターとかの方がいいです。

 

 

 で、これから就活する皆さんは、とりあえずはめんどくさくても、マイナビとかリクナビとか登録して普通の企業がどんなもんか見てみた方がいいと思います。わりとマジで。一ミリも興味なくても。

 説明会だけならタダで行けて図書カードとかボールペンとかもらえるので行きましょう。

 普通の就活はしたくない!って子、特に美大にすごく多いのですが、どうせ暇なんだし損はしないのでとりあえず見てみましょう。スーツ着るのなんてこれっきりです。

「あーやっぱ違ったわ」

って確認できるだけでも、知らないよりはマシです。

 

 最後に、社会人になって数年は同人活動やめてしまう人が殆どです。でも萌えって恐ろしいもので、大抵の人は数年で帰ってくる。でも流石にペースは落ちます。

 同人苦もなく続けられる仕事、あったら私にも教えてほしい。

 

 

 本当にとりとめもなく書いてしまったけれど、とりあえず今回はこんなところで。